EXPERIENCE

飛騨金山 筋骨めぐり

2022/12/26 更新

少し前まではまさかの国道だった、狭小路「筋骨」。文字通り筋と骨のような道をたどれば昭和の面影が見えてくる。

まるで迷路のような路地裏探索

「筋骨めぐり」の筋骨 “きんこつ” は、飛騨地方の呼び名で”細い路地が迷路のようにからみ合っている公道”のことをいいます。
人間の身体に例え、筋や骨が複雑にからみ合う様子から、そう呼ばれるようになったと考えられています。

「筋骨めぐり」ができる岐阜県下呂市金山町は、飛騨地方の南の端に位置する自然が豊かな山あいの町。
飛騨地方と美濃地方の境の町だったこともあり、山あいの静かな宿場町の雰囲気が今も残ります。
また飛騨川と馬瀬川が流れる清流が育んだ町だったこともあり、金山町には伏流水や湧水が湧き出ている場所が何箇所も見られます。飛騨街道の道沿いでは、手押しポンプを見かけることも珍しくはないのだとか。
そんな金山には「筋骨」と呼ばれる細くて狭い路地が網目のように伸びており、密かな観光スポットとなっています。

筋骨めぐりをするにあたって「筋骨ガイドマップ」は必須。
電車の場合は「JR飛騨金山駅」で、車の場合は国道41号線沿いにある「ドライブイン飛山」で手に入るので、必ず手に入れてから向かいましょう。

地図通り進んでいくと、このまま通ってしまってもいいのかと躊躇するような細さの道路が、家と家の間に張り巡らされています。
この道路が「筋骨」です。
集落の往来に近道として役立つ筋骨は、現在も住民にとっては欠かせない存在。
かつては国が所有する国道で、下呂市で合併したことで現在は市道になっています。
私道ではないので、観光客でも誰でも堂々と通ることができます。

迷路のように入り組んだ道は、映画のセットを彷彿とさせる、昭和の名残がある町並みを形成。明治〜昭和時代の木造家屋は今も健在しており、飛騨街道金山宿の歴史や、文化の名残がそのままあります。
金山は観光地ではなかったことから、人々の暮らしの色が強く残った、手つかずの町並みがそのまま残されているのです。
細い道はもちろん、石造りの小さな橋や石段、日向ぼっこをする野良猫などを見ながら歩いていると、子供の頃に迷路を探検して遊んだ時のような、懐かしい記憶が蘇ります。
万が一迷ってしまっても、近所の人に尋ねれば道を教えてくれますよ。

自分で巡ることもできますが、金山町観光協会が開催している案内ツアー(要予約)では、地元の方が見どころを丁寧に説明してくれます。

▲昭和63年まで実際に営業していた銭湯。実際に男湯の中に入ることができます。
銭湯内部には番台や脱衣所、木製ロッカーやタイル張りの浴槽など、当時の雰囲気のまま。
内部には料金表もあり、大人100円、小人40円の表記が。現代との物価の違いも感じられます。

周辺には、大船渡の渡し跡などのみどころも。

▲1928年に鉄道が開通し、飛騨川と馬瀬川の合流点には金山橋が架けられました。それまでは対岸の美濃へ行くには、この渡し場から舟で川を渡っていたそう。
筋骨めぐりで歩きつかれたら、休憩がてら「餅倖(もちこう)」の”ひだもち”や”黒豆大福”がおすすめ。
歩き疲れた身体に優しい甘さがしみわたります。
また資料館も併設された奥飛騨酒蔵では飛騨の銘酒が揃います。
試飲もできるので、お土産にももってこい。

「筋骨めぐり」と合わせて、飛騨金山を満喫してみてはいかがでしょう。

ACCESS INFORMATION

住所 岐阜県下呂市金山町大船渡

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