FOOD

日下部味噌醤油醸造 角一

2022/12/22 更新

発酵は天からの贈り物。飛騨高山のテロワールが育んだ芳醇な味噌と醤油。

手間をかけているからこそ生まれる伝統の味

明治23年創業。飛騨高山で120年以上伝統的な味噌・醤油造りを守り続けてきた「醸造元角一 日下部味噌醤油醸造」。
高山駅からは歩いて10分ほどの、古い町並にあります。

日下部味噌醤油醸造の味噌・醤油造りは創業から現在に至るまで、製法をほとんど変えていないのが魅力。
手間暇をかけてつくるからこそ出来る味わいを大切にし、こだわりの製法を守っています。

大量生産される市販の味噌は、ステンレス製のタンクの中で人為的に温度管理されて約2〜3ヶ月の間で商品となります。
一方で日下部味噌醤油醸造の味噌は、創業当時から使われている木桶の中で、四季の温度変化を受けながら丸一年掛けてじっくりと熟成させた、ここでしか出せない複雑で芳醇な味わい。
各家庭で手作りしたような昔ながらの味噌です。

味噌蔵に入ると2mを超す木桶が並び、味噌独特の香りが広がります。
木桶の中には、明治〜大正の年号が書かれたものもあり驚きます。
木桶一つには、約4tもの味噌が詰まっているそう。
100年以上使用しているにもかかわらず、朽ちること無く味噌を蓄え続けるその姿に圧倒されます。

味噌仕込みの最盛期は、飛騨の長い冬が明け、春らしい日差しが増えた3月下旬。
熟成が旺盛になる土用過ぎには、大桶での熟成度合いを見極めて別の桶に入れ替える作業があります。
これがまた手間と労力のいる作業ですが、天然醸造味噌には大切な工程だそう。
そこから味噌はさらに熟成を続け、豊かな風味を育みながら完熟します。
生き物のため呼吸を行う木は、発酵食品である味噌と共に呼吸を続け、湿度温度の面でも理想だそう。

普通は味噌を焼くと焦げたり塩辛くなってしまいがちですが、こちらの味噌は本来の旨味を損なうことなく、焼くことで一層香りが増すのが特徴。
高山の味噌は塩分が控えめのため味噌本来のうま味を損なわず、高山の郷土料理には欠かせない存在となっています。

高山の町を歩いていると目にする、醤油を刷毛で塗って焼いたシンプルな「みだらしだんご」にも、日下部味噌醤油醸の醤油が使われているなど、飛騨の味覚の原点とも言える存在。
老舗伝統の味を、是非試してみてはいかがでしょう。

ACCESS INFORMATION

住所 岐阜県高山市上一之町90

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